コロナ禍でも「横丁」は大繁盛 昼から酒を楽しむ人が殺到する理由とは 2021-03-29


図 この記事のタイプ傾向 (「新型コロナウイルス」「安心」「気軽」「厳しい」「心配」「楽しむ」「良好」「期待」)

 新型コロナウイルス感染拡大による時短要請で、大都市都心部の居酒屋やディナーレストランは大きな影響を受けている。
一方、例外的に集客が好調なのは「横丁」だ。
 例えば、2020年8月、東京・渋谷駅前にある「MIYASHITAPARK(ミヤシタパーク)」1階にオープンした「渋谷横丁」には、テラス席が設けられ、平日の昼間からビールやハイボールなどのお酒を楽しむ多くの人を見かける。
屋外のテラスならば、換気も良好だ。
 また、20年6月にオープンした「虎ノ門横丁」は、虎ノ門ヒルズに新しくできた「虎ノ門ヒルズビジネスタワー」(東京都港区)3階にあり、休日などには行列ができることもある。
 渋谷横丁では、北海道から九州まで日本全国の郷土料理や産直の食材を提供している。
一方、虎ノ門横丁は、東京で注目されているが多店舗展開していない人気店・名店を一堂に集めたことが人気の要因となっている。
 横丁型飲食施設は、本来なら何日もかけて食べ歩かなくてはならないグルメをワンストップにそろえるという“お得感”を提供している。
 しかも、入居している個々のお店の規模が小さく、扉に閉ざされていない。
ハードルが低いので、店員と顧客、顧客同士、店員同士の距離感が近い。
東京のような大都会では、人と人とのコミュニケーションが希薄になりがちだが、横丁には人と人がつながっていると思わせる良さがある。
 横丁を訪れるのは、数十人も集まって宴会をするような人たちではない。
圧倒的多数は、4人以下の友人・知人同士、または家族で利用している。
おひとり様も少なくない。
政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会が問題視している「5人以上の飲食」に当たらないケースがほとんどだ。
 今回は、横丁人気の秘密を解剖してみたい。
●ミヤシタパークの独自性 渋谷横丁は、宮下公園を再開発した「ミヤシタパーク」に入居している。
ミヤシタパークは、ユニークでインパクトのある施設だ。
明治通りに沿った4階建の複合施設になっており、道を挟んで南北の街区に分かれている。
4階の屋上が新生の渋谷区立宮下公園で、両街区を渡るデッキもある。
公園面積は1.27ヘクタールで、オープンは20年7月だ。
 1〜3階は、約90店が集まる商業施設「レイヤードミヤシタパーク」。
フードコートやファッションの店もあるが、「アディダス」や「ミズノ」のショップが出店するなど、スポーツ・アウトドア系が充実している印象だ。
「筋肉食堂」というアスリート向けの店もある。
 北端には「シークエンスミヤシタパーク」という、18階建のホテルがある。
 ミヤシタパークは、04年に創設された「立体都市公園制度」を適用している。
三井不動産の提案で、このような形態に決まった。
限られた都市空間の有効活用を図っている。
 ミヤシタパーク1階にある南街区の大半を占めてオープンした渋谷横丁の成功は、施設そのものの注目度の高さからも約束されたものだったといえる。
しかし、「グッチ」「プラダ」「ルイヴィトン」といったハイファッションも入居するビルの1階に、思いっ切り昭和感を漂わせた横丁が大々的にあるのは、非常にミスマッチ感がある。
 ファッションビルに昭和感あふれる酒場が入居するのは、決して珍しくない。
三菱地所が07年にオープンした「新丸の内ビルディング」レストラン街に、新宿のもつ焼きの繁盛店「日本再生酒場」が登場し、人気店となった前例がある。
●“ネオ横丁”仕掛け人の存在 渋谷駅からミヤシタパークに至るJR線路沿いの路地には、昭和から続く酒場が所狭しと連なる「渋谷のんべい横丁」がある。
渋谷横丁はのんべい横丁を拡張したものにも見える。
渋谷横丁は、のんべい横丁に興味があっても足を踏み入れられずにいた若者や女性でも気軽に行ける場所となっている。
 渋谷横丁を経営する浜倉的商店製作所(東京都中央区)は、恵比寿駅前でシャッター街と化した公設市場を再生した「恵比寿横丁」で注目された。
その後も有楽町、上野などで横丁やそれに類する産直酒場街を次々と成功に導いてきた。
浜倉好宣社長は、現代の“ネオ横丁”仕掛け人として知られている。
その同社がこれまでの集大成として、全長100メートル、全19店、総席数1600席の横丁を、全て直営で運営している。
 恵比寿、上野などでネオ横丁を既に体験した人も、「浜倉プロデュースなら間違いない」と訪れており、集客力の高さにつながっている。
 渋谷横丁の特徴は、地域ブロックごとに「北海道食市」や「沖縄食市」といった店をつくり、郷土料理、産直食材、地酒を駆使したメニューを提供していることだ。
全部をはしごすれば、各地の郷土料理が、立体的に見えてくる奥深さを持つ。
 コロナ禍の影響で故郷に帰れない人や旅行に行けない人にとって、渋谷横丁は東京に居ながら地元の食を味わえる貴重な場所となった。
隣席との心理的距離感が近いため、見知らぬ人同士がいつしか地元の話で盛り上がって、交流・交際に発展したケースも少なからずあったかもしれない。
 浜倉氏は渋谷横丁の繁盛ぶりを評価され、外食産業記者会より「外食アワード2020」外食事業者部門を授与されている。
●虎ノ門横丁も好調 虎ノ門横丁も、虎ノ門ヒルズという注
(https://news.goo.ne.jp/article/itmedia_business/trend/itmedia_business-20210329_075.htmlより引用)

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