父親の産後うつとは? 1歳未満の子をもつ父親の約1割にメンタルリスクあり 2021-04-03


図 この記事のタイプ傾向 (「焦り」「驚く」「厳しい」「苦労」「懸念」「怒鳴る」「泣き」「激しい」「不安」「支援」「協力」)

(https://news.goo.ne.jp/article/dot/life/dot-2021040100018.htmlより引用)
 産後うつが、父親に起こることもある。
そう聞いて驚く人は、自分のもつ出産・子育てに関する知識を更新する必要がありそうです。
産後の父親のメンタルヘルスには、長時間労働など厳しい社会的環境が影響しています。
*  *  * 生後1歳未満の子どものいるふたり親世帯3514世帯についての調査で、産後1年間に父親が「メンタル不調のリスクあり」とされた割合は11.0%で、母親の10.8%と同程度でした。
 また、夫婦が同時期に「メンタル不調のリスクあり」とされた世帯は3.4%で、これを2019年の出生数約86.5万人に当てはめると、夫婦が同時期にメンタル不調に陥っている可能性のある世帯が「3万世帯弱」と推計されています。
 調査をおこなったのは、国立成育医療研究センター研究所政策科学研究部の竹原健二さんのチームです。
竹原さんによると、以前から、父親の産後のメンタル不調についての研究がおこなわれていましたが、全国的な実態、しかも父親だけでなく夫婦の実態を明らかにするために、「国民生活基礎調査」の2016年のデータを用いて調査したそうです。
 父親のメンタル不調には、家事・育児や母親サポートが父親に当たり前に求められるようになったものの、長時間労働の是正が進まないなど、産後の超多忙な生活が影響していると竹原さんは指摘します。
 郊外に住み東京都心に通勤しているある男性に、一日の生活の様子を聞きました。
 仕事が終わり帰宅するのが夜の22時ごろ。
その後、台所の洗い物、衣類の洗濯などの家事をおこない、自分の入浴などが終わると、すでに0時過ぎ、就寝するのは1時過ぎになるそうです。
翌朝は5時に起床して、朝食の準備、ゴミ出しの準備などの家事と子どもの世話をして、出勤。
慢性的な睡眠不足だといいます。
休日も以前のようにまとまった時間をとれず趣味の釣りにもいけないため、子どもはかわいいものの、たまには気晴らしをしたいと感じています。
 また、ある夫婦の場合、ともに会社員で、保育園への送りを夫が担当。
その日は、早く出社する必要があるのに、子どもの機嫌が悪く、支度に手間取りました。
妻も急いでいて助けてもらえません。
徐々に焦りとイライラが募り、夫は妻に対して大きな声で怒鳴り、イライラをぶつけてしまいました。
妻に怒鳴るのは初めてだったそうです。
 育児への意欲が高い父親は、時間に追われることに加え、「仕事に力を注げない」「仕事の評価が下がるかも」といった焦りや不安を抱きがち、仕事と家庭の両立に苦労しています。
その状態が続けば、メンタルヘルスが損なわれるのも不思議ではありません。
 竹原さんは、夫婦のメンタル不調が子どもへ影響することも懸念しています。
 海外のさまざまな研究で、父親の産後うつが、「子どもへの本の読み聞かせの減少」「体罰の増加」など父親の養育行動に影響し、子どもの向社会性(相手に共感し、相手を優先させる心情・行動)の低下、多動、問題行動、情緒不安、言語発達の低下、激しい夜泣きなど、発達・発育に影響するとされました。
最近では、思春期になったときに、子どもがうつなどになりやすくなるのではないかと検討が進められています。
「母親が大変だから、父親も頑張って! というのが、今の日本の社会です。
2015年、内閣府は、父親の一日の家事・育児の時間を2時間30分に延ばすという目標値を出しました」(竹原さん) この目標値は、「平成23年社会生活基本調査」をもとにした統計資料が一つの参考になっていると考えられます。
行動の種類別の平均時間を海外9カ国と比べており、父親の一日当たりの「家事と家族のケア」の時間が、スウェーデンが最も長くて3時間19分、フランスが最も短くて2時間22分であるのに対し、日本はそれよりさらに短く1時間15分でした。
「仕事をしている父親の視点から考えると、単純に『家事と家族のケア』の時間のみで父親が家族のために費やしている時間を評価するのは不十分なのではないでしょうか。
日本の父親の仕事関連の平均の時間は7時間57分、通勤時間は50分で、9カ国より多く、自由時間は2時間33分と9カ国より少ない。
そこで、仕事関連の時間と自由時間を含めて試算してみたら、日本の父親が家族のために費やしている時間は、海外9カ国でもっとも多くなるのです」 統計資料の時間と竹原さんの試算の一部を次に示しました。
(1)家事と家族のケア  日本:1時間15分 スウェーデン:3時間19分(2)仕事と仕事中の移動 日本:8時間1分  スウェーデン:5時間11分(3)自由時間      日本:2時間33分 スウェーデン:3時間58分(4)通勤時間      日本:51分    スウェーデン:26分(5)「(1)家事と家族のケア+(2)仕事と仕事中の移動」が、「(1)家事と家族のケア+(2)仕事と仕事中の移動+(3)自由時間」の時間に占める割合 日本:79% スウェーデン:69% 上記の(5)が、統計資料の時間(1)(2)(3)(4)から試算した父親の貢献度で、日本は、スウェーデンより高くなっています。
  家事・育児に時間をかけるためには、何かの時間を減らさないといけないが、長時間労働はそのままだし、通勤時間は長いし、もともと自由時間は短いし……。
単純に父親個人に頑張れとイクメンを推進するだけではなく、社会として長時間労働の是正や父親の支援などで、父親が家事・育児に関わるための時間をつくりやすい環境を整える必要があると竹原さんは考えています。
(https://news.goo.ne.jp/article/dot/life/dot-2021040100018.htmlより引用)

関連記事