新型コロナ変異種、世界に拡大 収束に向けたシナリオ狂い生じる 2021-01-10


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 【ロンドン=板東和正】感染力が強いとされる新型コロナウイルスの変異種の感染が欧米やアジアなど世界に広がっている。
一部の変異種はワクチンの有効性に影響を与える恐れも懸念されており、収束に向けたシナリオに狂いが生じる可能性もある。
 変異種の脅威が注目されたのは昨年12月下旬。
英政府がロンドンなどで変異種の感染事例が1千件以上確認されたと発表し、50以上の国・地域が英国からの入国・入域制限を決めた。
しかし英国の変異種は年末から年明けにかけ、各地に拡大していった。
 ロイター通信などによると今月8日時点で、英国の変異種の感染者は34カ国・地域で確認されている。
フランスやドイツ、米国などの欧米のほか、韓国や日本などのアジア、中東諸国でも見つかった。
 変異種が広がった欧州諸国では感染者数が急増している。
1日当たりの新規感染者数が約6万人にのぼる英国では、ロンドンを含むイングランドで新規感染者の3分の2近くが変異種によるものとみられている。
ロンドンのカーン市長は、感染拡大が「制御不能」となっていると宣言した。
 世界保健機関(WHO)のクルーゲ欧州地域事務局長は7日、欧州はパンデミック(世界的流行)のさらなる拡大を許すかどうかの「岐路に直面している」と強調。
「(変異種の)感染を遅らせなければ、すでに逼迫(ひっぱく)する医療体制をさらに追い詰める」と規制の強化を呼びかけた。
 ジョンソン英首相はイングランド全域で4日に開始したロックダウン(都市封鎖)を2カ月以上継続することも検討している。
 一方、英国型とともに世界に広がりつつあるのが南アフリカで最初に確認された変異種だ。
ロイターなどによると、南アの変異種は今月8日時点で英国やオーストリア、日本、中国など10カ国で確認された。
 南アの変異種は英国型よりも、新型コロナの収束を遅らせる危険性があると警戒されている。
英国型の変異種の感染力は従来型より最大70%高いとみられるが、英国のハンコック保健相は、南アの変異種はその英国型よりも感染力が高いと指摘している。
 南アでは変異種が昨年10月ごろに最初に確認され、12月に入り感染者が急増。
3日の新規感染者数が約4400人だったのに対し、31日は約1万8千人と4倍超となった。
累計感染者数は27日にアフリカで初めて100万人を上回った。
 ワクチンの有効性を不安視する声もある。
英メディアによると、英製薬大手アストラゼネカなどが開発したワクチンの臨床試験(治験)に関わったシャビール・マディ氏は「南アの変異種はワクチンの効果を弱める可能性がある」と述べた。
南アの変異種は英国の変異種に比べ、ウイルスが体内に侵入する上で重要な役割を果たすタンパク質に、より多くの変異があり「ワクチンが誘発する免疫反応の影響を受けにくくなる恐れがある」(英レディング大のサイモン・クラーク准教授)ためだ。
 米製薬大手ファイザーは8日、同社のワクチンについて、英国と南アの両方の変異種に効果があるとの1次試験結果を公表したが、今回の結果は外部の専門家のチェックを受けておらず、さらなる確認が必要になるとみられている。
(https://news.goo.ne.jp/article/sankei/world/sankei-wor2101100018.htmlより引用)

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