史上9校目の大会連覇へ導いた桐蔭学園の藤原秀之監督(53)は数々の困難を乗り越え、同校を全国屈指の強豪に育て上げた。
高い王者の壁に阻まれ、初優勝はつかめなかった。
前半を同点で折り返したが、後半2分にNO8森のパスミスから痛恨の勝ち越しトライを許した。
自慢のディフェンスが次々と突破され、一気に突き放された。
本橋は「3年間が終わると思うと…。
勝って終わりたかった」と3度目の花園でも頂点に立つことはできず、悔し涙を流した。
次々と相手に襲いかかる「ピラニアタックル」は無情にも相手にはねのけられた。
「全てにおいて桐蔭さんの方が一枚上だった」と本橋。
ともに帝京大に進学するライバルのロック青木をはじめ、隙のないラグビーに圧倒された。
後半30分には右手だけで力強く「3年間の集大成」の5試合連続トライを決めたが及ばす。
「やれることを出したので胸を張って帰りたい」と言葉を絞り出した。
01年度大会で、花園V4度の伏見工(現京都工学院)を破り、花園に初出場してから20年。
京都勢としては伏見工以来、13大会ぶりの決勝進出だった。
FBの辻野主将は「一つ一つのフィジカルが強かった。
僕たちのミスを見逃さず、トライにつなげられてしまった」と肩を落とした。
「楽しかった。
ただそれだけです」。
就任34年目の湯浅泰正監督(56)も男泣きした。
長い指導生活は決して平らな道ではなかった。
13年の10月。
ステージ4の咽頭がんを患い「死ぬんちゃうかな」とボイスレコーダーに遺言を残すほど絶望した。
それでも自身が「奇跡」と振り返る回復を遂げ、今も花園のグラウンドに立つ。
「あかんかもしれないけど、満足しています」。
それぞれが特別な思いを胸に、新たな道を歩み始める。
(https://news.goo.ne.jp/article/hochi/sports/hochi-20210109-OHT1T50213.htmlより引用)