鷹・東浜巨、ノーノー達成の裏側 最終回に湧いた“色気”と鎮めた冷静さ 2022-05-12


図 この記事のタイプ傾向 (「安定」「驚く」「揺れ」「冷静」「期待」)

(https://news.goo.ne.jp/article/fullcount/sports/fullcount-1220018.htmlより引用)
快挙目前の最終回でも目まぐるしく動いた胸中を明かす■ソフトバンク2ー0西武(11日・PayPayドーム) ソフトバンクの東浜巨投手が11日、本拠地PayPayドームで行われた西武戦で史上84人目となるノーヒットノーランを達成した。
2つの四球こそ与えたものの、最後まで1本のヒットも許さず。
わずか97球、打者27人でシャットアウトする快投で、快挙を達成した。
 東浜は初回3者凡退の立ち上がりを見せると、2回以降も快調にアウトを積み重ねた。
2回1死で中村に、5回無死では山川に四球を与えたものの、どちらも併殺打で3人で封じた。
中盤以降も安定した投球を続け、西武打線をノーヒットに抑えたまま、最終回を迎えた。
 東浜が無安打を続けていることに気づいたのは「7回くらい」だという。
ただ、8回までは特に意識することなくアウトを積み重ねた。
8回を投げ終えたベンチの中。
普段は話しかけてくるチームメートも寄りつかなかった。
「異様な雰囲気でした」。
球場全体が快挙を期待する中で最終回だけは「意識してマウンドに上がった」という。
金子を追い込み芽生えた“色気”「最後はちょっと三振を狙いに行こうかな」 ただ、意識はしても、冷静だった。
「ここまで来たら打たれてもいいから、しっかりとゾーンに投げて、自分の投球を最後まで貫こうと思っていました」。
ここまでの投球通り、そして普段通り。
ストライクゾーンの中で打者と勝負していく。
己のやるべきことに集中して、2つのアウトを取った。
 東浜の中で“色気”が出たのは最後の打者・金子侑司を迎えたところだった。
初球、144キロのシンカーでファウル、2球目は149キロのストレートで見逃し。
2球で追い込んだ。
ボルテージは最高潮に達した本拠地。
そこで東浜はこう思った。
「最後はちょっと三振を狙いに行こうかな」。
快挙達成の瞬間へ、少しばかり欲が出た。
 三振を狙いに行った3球目。
150キロのストレートはアウトコースへ外れた。
この1球で、東浜は我に返った。
「ああ駄目だ。
色気を出しちゃ駄目だ」。
頭の中に湧いた微かな“色気”をすぐさま排除した。
いつも通り、ゾーン内で勝負する投球を徹底しよう。
すぐさま冷静さを取り戻した。
 4球目、5球目は外角のシンカーでファウル。
6球目のシンカーは外に外れて2ボール2ストライクになった。
「打ち取るなら自分の代名詞のシンカーか真っ直ぐ、この2つだと思っていた。
ただ、バッターもそれは頭にあって、ああいうふうにファウルになっていた」。
迎えた7球目。
ここで東浜は甲斐のサインに首を振った。
甲斐のサインに首振り選んだ勝負球「僕の中では勝負をかけたボール」「外の真っ直ぐかシンカーだったんですけど、バッターの反応を見ていたら、そこ(外角)に目がいっていて……。
前に飛ぶ感じじゃなかったんですけど、ファウルになるので、終わらせたいと思ってインコースの真っ直ぐを入れて行こうかなと思った。
結構、僕の中では勝負をかけたボールでした」 覚悟を決めて投げ込んだのはインコースの真っ直ぐ。
150キロのボールに金子は完全に詰まらされた。
力のないゴロが東浜のすぐ左を抜けていった。
「捕れると思っていたら、捕れなくて『やっちゃった』と思って。
思ったより三森が前にいて、アウトになってくれよ、と思いながら。
なかなかソワソワすることってないんですけど、あのシーンはソワソワしました」。
祈るような思いでボールを見つめ、そして、快挙達成の瞬間を迎えた。
 実はこの試合、東浜は5回に右足がつっていたという。
もともと、汗っかきで、足がつることは珍しくはない。
ただ、まだ5回で、球数も50球ほど。
「今日は早えな」と東浜自身も少々驚くタイミングだった。
ただ「そこからしっかり立て直して、つることもなかったですし、最後はちょっと怪しかったんですけど」と、最後まできっちりと投げ抜いた。
 最終回でも揺れ動いていた東浜の胸の内。
快挙達成の裏には、常に冷静でいる自分と、状況によって湧き上がる様々な感情とのせめぎ合いが隠されていた。
(https://news.goo.ne.jp/article/fullcount/sports/fullcount-1220018.htmlより引用)

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