投手なら誰? 野手にはいる? 選抜で「ドラフト上位」に値する能力見せたのは… 2021-03-29


図 この記事のタイプ傾向 (「安定」「面白い」「快感」「爽快」「物足りない」「期待」)

(https://news.goo.ne.jp/article/dot/sports/dot-2021032900003.htmlより引用)
 連日熱戦が続いている選抜高校野球。
今大会は観客数1万人を上限としており、プロ野球のスカウト陣も大会本部から割り当てられているのは1球団5人と制限されているが、それだけでは足らずに一般席を購入して視察している球団も見られた。
それだけ注目選手が多い大会だったとも言えるが、中でもドラフト上位候補としての評価を受けたと思われるのが小園健太(市和歌山)、畔柳亨丞(中京大中京)、達孝太(天理)の本格派右腕3人だ。
 まず大会前からナンバーワンの呼び声が高かったのが小園だが、1回戦では県岐阜商を相手に4安打完封と前評判通りのピッチングを見せた。
この試合、相手打線も相当小園を研究してきたことが伺え、5回までは毎回走者を背負うピッチングで6四球を与えるなど決して楽な内容ではなかったが、それでも最後まで落ち着いて0を並べたのはさすがという他ない。
 そして更に凄みを感じたのがリリーフで登板した2回戦の明豊戦だ。
1点を追う5回からマウンドに上がると、最初の打者をいきなりストレート3球で見逃しの三振。
次の打者にも145キロを超えるストレートを続けて最後はカットボールでサードゴロに打ち取ると、3人目は変化球を最初に続けて最後はアウトコースいっぱいのストレートで見逃し三振を奪って見せた。
 投球のテンポが抜群に早く、最初からエンジン全開で相手打線をねじ伏せることで、試合の流れを持ってくるという意図が強く感じられたが、このような投球が甲子園の大舞台でできるというのは並の投手ではない。
最終的には7回に決勝タイムリーを浴びて敗れたものの、2試合14回を投げてわずか1失点とその安定感は抜群だった。
少し投げ急いでか、体の割れが不十分だったのは課題だが、フォームに致命的な欠点はなく、全ての面で高校生ではトップレベルの投手である。
このまま順調にいけば1位指名の可能性が高いだろう。
 畔柳は1回戦最後の16試合目に登場。
専大松戸との息詰まる投手戦となったが、要所を締めて12奪三振完封勝利をマークした。
立ち上がりはスピードもコントロールももうひとつとういう印象だったが、2回以降は一気にギアが上がり、力で相手打線を圧倒。
最速147キロは小園と同じ数字だったが、終盤までスピードがほとんど落ちることがなく、アベレージの速さ、ボールの勢いに関しては明らかに上回っているように見えた。
 177cmと決して大柄なわけではないが、昨年秋と比べても一回り体つきが大きくなり、躍動感溢れるフォームは見ていて爽快感を覚える。
ステップした左足の着地が安定し、しっかりとボールに体重が乗っているのが大きな長所。
12個の三振のうち8個がストレートで奪ったものであり、空振りを奪う場面も多かった。
秋にはあまり投げていなかったチェンジアップのブレーキも良くなっており、変化球の質も高い。
夏までにもう一段階全体的にレベルアップすることができれば、先輩の高橋宏斗(中日)に続く1位指名も見えてくるだろう。
 そしてスケールという意味では小園、畔柳を上回るインパクトを残したのが達だ。
1回戦の宮崎商戦では変化球のコントロールに苦しんで161球を投じたものの、10三振を奪って1失点完投。
そして続く2回戦では強打の健大高崎を相手にわずか2安打で完封という圧巻のピッチングを見せたのだ。
昨年秋と比べても明らかに体重移動のスピードが速くなり、それに伴ってストレートもスピードアップ。
1回戦では146キロ、そして2回戦では自己最速を更新する148キロをマークした。
 しっかりと体の割れを作って、ゆったりとステップして投げられる点は小園と畔柳を上回っている部分である。
193cmという長身と長いリーチを持て余すことなく上手く使い、全体的なフォームのバランスも悪くない。
まだ体は細く、躍動感などは物足りないところがあるものの、身長に見合うだけの筋力がついてくれば、楽に150キロ台中盤をマークする可能性は高いだろう。
腕の振りが強くなったことで少し変化球のコントロールに狂いが生じているように見えるが、指先の感覚が良く、それなりにまとめられるというのも大きな長所だ。
今大会の投球で一躍1位候補に名乗りを上げたことは間違いないだろう。
 その他の投手では木村大成(北海)、伊藤樹(仙台育英)、石田隼都(東海大相模)、花田侑樹(広島新庄)なども高校からのプロ入りを目指せるだけのパフォーマンスを見せていた。
 また、野手は上位指名間違いなしという感じの選手は不在という印象だったが、バッティングであれば松川虎生(市和歌山・捕手)が頭一つ抜けており、前川右京(智弁学園・外野手)と池田陵真(大阪桐蔭・外野手)がそれに続く存在と言える。
また捕手としての総合力では高木翔斗(県岐阜商・捕手)も面白い存在だった。
大会前の評判通り投高打低という感は否めないが、夏に向けてまた新たな候補が浮上してくることを期待したい。
(文・西尾典文)●プロフィール西尾典文/1979年生まれ。
愛知県出身。
筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。
主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。
(https://news.goo.ne.jp/article/dot/sports/dot-2021032900003.htmlより引用)

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