コロナで商機「蒸発」 五輪の海外観客断念で日本の観光業に大打撃 2021-04-03


図 この記事のタイプ傾向 (「新型コロナウイルス」「厳しい」「苦悩」「寂しい」「残念」「楽しみ」「不安」「支援」「決定」「期待」「回復」)

(https://news.goo.ne.jp/article/afpbb/world/afpbb-3338663.htmlより引用)
【AFP=時事】新型コロナウイルスの感染拡大で、東京五輪・パラリンピックで海外在住の一般客の受け入れを断念することが決まって以来、日本の観光業では損失試算が行われている。
 2019年のラグビーW杯日本大会の盛り上がりの後、五輪に大きな期待をかけていただけに、観光業界にとって今回の措置は大きな痛手だ。
 都内で「行燈旅館」を経営する石井敏子さんは、約2000万円かけて宿を改修し、五輪観戦の旅行客の訪日に備えた。
 しかし、今では、少なくとも9月まではインバウンド観光客が訪日することはできないだろうと想定している。
「ホテルが五輪に足りないっていう話で、ホテルをいっぱい造ってきたのに(中略)急にコロナで、全くそこ(需要)が蒸発しちゃったものですから。
去年からホテルの供給過剰が起きていて(中略)すごい打撃です」 2019年のラグビーW杯の開催時には、宿は多くの客でにぎわった。
「『来年は五輪で、上り調子で行くんだ』と思っていました」と石井さんは振り返る。
 旅行客の増加を見込み、石井さんは旅館のレストランを2倍に拡張し、数々の骨董(こっとう)品に飾られた内装や調理場を改装した。
 現在は、経営を維持するため公的融資に頼っていて、将来の資金繰りや観光業の回復のタイミングなどに不安を感じることもあるという。
「(借金を)返済する時まで頑張っていられても、その後どうするかという不安はあります」と石井さんは語った。
 希望は持っている。
新たなレシピを学んだり、SNSで海外の常連客と交流したりすることに余念がない。
「先を見てビジネスをしていかないと」 ラグビーW杯の追い風で、2019年の訪日客は過去最高の3190万人に及び、2020年には目標の4000万人に達するとみられていた。
しかし、昨年3月、コロナウイルス対策に基づく厳しい入国制限が実施されると、外国人旅行者はほとんど締め出され、東京五輪の開催は1年延期された。
 組織委員会は、海外向けに約63万枚の大会チケットを販売し、日本政府は、大会時には60万人の来日を見込んでいた。
 エコノミストによると、海外客の受け入れを断念したことによる日本経済全体への影響は限定的で、生活が正常化すれば観光業も立ち直るという。
むしろ新型コロナウイルスによる経済全体への打撃が甚大だ。
 それでも、個別の旅行事業者への影響は小さくない。
 浅草で観光人力車のサービスを提供している「東京力車」。
マネジャーの及川唯さんは世界中から集まる五輪観戦者を、自らの人力車に乗せて観光案内することを楽しみにしていた。
 現在は、厳しい衛生対策を実施しながら、国内客を取り込み続けている。
「寂しいというか、残念だなという気持ちももちろんありました」と及川さん。
「(観光客が)いつか戻ってくる時のために、(自分たちを)鍛える時期かなと思っています」。
スタッフは観光客への声掛けの技や名所案内の技術を磨いていると言う。
■「景気動向は大きく左右されなくても、相応の経済損失」 五輪の観戦客がもたらす経済効果は過大評価されがちだと指摘する声もある。
英国の経済調査会社キャピタル・エコノミクスは昨年11月の予測で、五輪客の支出を950億円と推定。
これは日本の国内総生産の0.02%に相当する。
 国内の観戦客の制限に関する決定はまだだが、観客数が制限され、観戦目当ての海外客が来なくなれば、経済損失は2000億円前後になると、野村総合研究所エグゼクティブ・エコノミストの木内登英氏は試算。
「日本の景気動向を大きく左右するほどの規模ではないが、それでも相応の経済損失額であることは確かだ」と同研究所のコラムで述べている。
 観光業界が苦悩する一方で、今回の決定は社会に受け入れられている部分がある。
 世論調査によると、日本国民の大半は海外からの観客受け入れを見送った決定に賛成している。
 コロナ影響下の2020年は、日本のGDP成長率はマイナス4.8%となった。
しかし、今年は輸出の底上げや景気刺激策などによる経済成長に期待が寄せられている。
 複数のエコノミストは、日本は消費を拡大させることで経済成長につなげるべきだと指摘している。
 国内旅行の需要はどうか。
政府の支援金キャンペーンも奏功して、状況は2020年後半に持ち直した。
しかし、感染が再拡大し、同キャンペーンは昨年12月下旬に終了した。
 飲食店の営業時間の短縮要請などがあり、観光業の不振は年初の緊急事態措置が終了した後も続いている。
 コロナ禍が収束すれば、インバウンド需要は復活するだろうと、日本旅館協会の佐藤英之専務理事は言う。
 それまでは、我慢の日々が続く。
「これは、どこにもぶつけられない。
どうしようもない」と佐藤氏。
(https://news.goo.ne.jp/article/afpbb/world/afpbb-3338663.htmlより引用)

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