病院によると、熊本県外に住む成人女性が4月に利用した。
母子ともに健康で、女性はすでに退院しているという。
蓮田健理事長が同病院で記者会見を開き、明らかにした。
この女性は妊娠が判明した昨年から内密出産を希望して病院に相談。
「どうしても子どもを守りたい。
そちらで取り上げてほしい」と訴えた。
出産時期が近づき、4月に新幹線で病院に向かう途中、「おなかの張りがひどい」などと訴え、理事長らがJR博多駅(福岡市)まで迎えに行って保護したという。
女性は仮名で出産したが、退院時には内密出産に同意し、病院の新生児相談室長に顔写真付きのマイナンバーカードなどのコピーを身元を証明するものとして残した。
子どもが18歳になった頃に出自を知らせてほしいと希望したという。
女性に2例目として記者会見することを伝えた際には、「慈恵病院がなかったら、きっと赤ちゃんを産まずに死んでいたと思う」とのメッセージを寄せた。
蓮田理事長は会見で、「(遺棄などを)防ぐことができて良かったと思っている」と述べた。
病院は2019年、自宅などでの「孤立出産」を防ぎ、望まない妊娠などの事情を抱える女性を救済するため、内密出産を導入。
昨年12月、西日本に住む10歳代の女性が初めて利用した。
熊本地方法務局は、親が子どもの出生届を出さない場合、市区町村長の職権で戸籍が作れるとし、この女性のケースでは熊本市長が戸籍を作成する手続きを進める意向を示した。
(https://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/nation/20220511-567-OYT1T50160.htmlより引用)