メダカ販売で取り戻した生きる力 ブームの元祖がつなげた飼育と福祉 東京・八王子 2021-01-05


図 この記事のタイプ傾向 (「新型コロナウイルス」「安定」「危惧」「気になる」「好き」「楽しい」「激しい」「不安」「支援」「実現」)

(https://news.goo.ne.jp/article/mainichi/nation/mainichi-20210105k0000m040014000c.htmlより引用)
 メダカの飼育や販売に取り組む東京都八王子市の障害者就労支援事業所「めだか販売店」(同市子安町、株式会社あやめ会運営)。
精神疾患などを抱える利用者の多くが、小さな命と関わる中で生きる力を取り戻してきた。
メダカ研究で知られる所長で運営会社社長の青木崇浩さん(44)が立ち上げた。
障害者のよりどころとして始まった活動は、新型コロナウイルス禍の下、注目の事業に育った。
【野倉恵】 「メダカは昔、田んぼの害虫駆除に活躍しました」。
12月半ば、JR八王子駅そばのめだか販売店ショールーム会議室で、事業所を利用する木下裕介さん(23)が仲間に語りかけた。
利用者(40人)は、メダカを育てる水槽を一人一人が担当する。
メダカを管理し、販売や接客にも取り組む。
 木下さんは中学校で不登校気味になり、専門学校も中退、家に引きこもった。
3年前、事業所に通い始めた頃は、人が大勢いるのが不安で電車に乗るのも大変だった。
だが、メダカの生態を説く青木さんの話を聞くうち、泳ぎ方の変化がわかるようになり「行かない日は様子が気になる」までに。
勉強を重ねて、仲間への講義も任されるようになった。
 木下さんの話に耳を傾けていた大森将平さん(23)は中学、高校と激しいいじめに遭った。
精神疾患などで2度の入院を経験。
通い始めの頃、「他人など一切信じられない」といら立ちをぶつけたが、スタッフの「私は(君が)好きだよ」の言葉に、心を開き始めたという。
山田愛さん(25)は摂食障害などで10代後半から入退院を繰り返した。
今は「初めて人と関わるのが楽しい」と言う。
 青木さんも命を絶とうと思い詰めた過去がある。
25歳の時、脳内で神経を血管が圧迫する病気となり、手術をした。
療養が長引き、うつを患った。
朝起きて椅子に座り、うつむいたまま首を上げる気力もなかった。
 2004年、趣味のメダカで、初の総合情報サイトを創設したことが転機となった。
1999年に絶滅危惧種となったメダカの生態や飼育の豊富な知識を発信、メダカブームの元祖と呼ばれた。
障害者支援施設に飼育指導を求められるようになり、水槽持参で訪ねると利用者の目が輝いたのを見て、自身も体に力がみなぎった。
 メダカと福祉をつなげたい。
生きる希望を見つけた。
介護施設と障害者支援施設で10年働いた。
メダカの方は14年には自室の水槽でバクテリアを使い、水替えせず自然浄化する飼育環境を実現し、その後特許を取得した。
 これらの経験を生かし、16年10月、めだか販売店をオープンさせた。
飼育が利用者の心の安定につながると評判を呼び、利用者1人で始まった事業は、半年後25人に。
18年、日野市にメダカを観賞できるカフェも開いた。
 コロナ禍で在宅生活が長引く中、癒やしを求め、メダカ人気が高まり、売り上げは増加中だ。
青木さんは言う。
「闇を抜け出す糸口は必ずある。
ここで仲間の彼らが見つけるのを手伝い、共に『生きている』と感じたい」。
障害の有無に関係なく、響く応援の言葉がそこにあった。
(https://news.goo.ne.jp/article/mainichi/nation/mainichi-20210105k0000m040014000c.htmlより引用)

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