『わたナギ』で「おじキュン」の本質 韓流ドラマとも共通点 2020-09-12


図 この記事のタイプ傾向 (「笑顔」「快感」「がっかり」「興味深い」「幸せ」「爽快」「恋愛」「決定」「期待」)

(https://news.goo.ne.jp/article/postseven/entertainment/postseven-1594809.htmlより引用)
 多くの人が癒やされた作品だったに違いない。
ドラマウォッチを続ける作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が分析した。
 * * * 注目を集めたドラマ『私の家政夫ナギサさん』の最終回の視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区)が19.6%を記録しました。
TBSは急遽「特別編」の放送を決定。
8日に放送された『私の家政夫ナギサさん 新婚おじキュン!特別編』の視聴率も14.9%という好数字を叩き出しました。
 このドラマ、ストーリーだけでなく社会に影響を及ぼした点も興味深いものがありました。
例えば大森南朋さんが演じた「家政夫ナギサさん」が、女性を中心に胸キュンの好評価。
それを見てか、「中年男性は今、若い女性に求められている」という誤解も一定数発生したもようです。
一部ではおじさんとの合コンが流行ったり、料理できるおじさんが人気という話も耳に入りましたし、「おじキュンに乗っかろうとする上司に困ってます」という感想も目にしました。
 いや、それってちょっと違うのでは。
大森さんのエプロン姿と柔和な笑顔、引き算の演技がウケたわけであって、おじさん全体への期待値が上がったわけではないはずです。
 それにしても視聴率がグングン右肩上がりで最後は20%に届こうかという勢い。
大森さんの「おじキュン」だけではそこまで引っ張れなかったはず。
いったい「いかなる点」がこれほど視聴者の胸に刺さったのか? 改めて振り返ってみると──。
【1】疑似的片付け効果 自分の家もスルスルと片付いていくような爽快感があって引き込まれた。
視聴者のスッキリ度が増幅。
【2】受け止め効果 家政夫ナギサさんは、とりあえず何でも受け止めてくれる存在。
決してイライラして言い返したりせず、笑顔を絶やさず、ストレスを生み出さない、説教しない。
大森南朋のオバサンぶりが妙にはまっていて女性にとっての癒やし効果絶大。
【3】「家事はシャドウワークではない」と言い切った 極めつけのセリフ「家事は仕事です」。
これまで正当に評価されてこなかった隠れた労働としての家事。
そこに正面から光を当て共感を呼んだ。
 まずはその3点を挙げたいのですが、加えて中盤以降はナギサさんの過去のエピソード等に絡めて「人は一人では生きられない」「見守ってくれる存在によって自分も生かされている」「幸せな生き方とは何なのか」といった深掘りも加わり、より魅力なドラマになっていったと思います。
 その中で最もアピールした要素を問われれば、私は2番目の「受け止め効果」を挙げたいと思います。
常に話を聞いてくれて受け止めてくれる。
時に励ましてくれる併走者が、暮らしの中にいてくれたら──ナギサさん的存在がいかに意味を持っているのかが浮き彫りに。
 実は、この点は韓流ドラマ人気とも共通するのではないか、と思うのです。
今や第4次ブーム到来とも言われますが、話題作『愛の不時着』『梨泰院クラス』『サイコだけど大丈夫』の三作いずれにおいても、「人の話を聞いてくれて、受け止める力のある男性」が主人公として登場し存在感を際立たせていました。
 上から目線でなく、「俺に付いてこい」的マッチョでもなく、女性を守るけれども偉そうにはせず、他を受け止めることができる人物。
それが、ナギサさんとも共通していて、多くの女性視聴者が求めているキャラクターであり人気の牽引力となっているのではないでしょうか? ちなみに、9月8日に放送された『私の家政夫ナギサさん 新婚おじキュン!特別編』ですが、大半はすでに放送した内容の編集でした。
冒頭と最後には新婚のシーンが入り、メイとナキザさんのちょっとした行き違いが口ゲンカに。
結局オムライスを作って食べて仲直り。
そこにNGシーンのオマケが付いた、といった風で、視聴者からは「新しいシーンが少なくてがっかり」という声も複数にありました。
「ぜひシリーズ化して、次は二人の新婚の話を展開してほしい」という続編の期待も聞かれました。
 でもどうなのでしょうか? メイとナギサさんは恋愛がらみでなかったからこそ、癒やしになったのだとすれば……。
二人の関係が、互いにじっと見つめ合う恋愛や夫婦関係になったら? 親密さや性的な面が描かれたとしたら? 癒やしの空気感はいったいどこへ? メイのように忙しく働く女性たちが求めているのは、もしかしたら互いの瞳を見つめ合う関係より、脇にいて同じ方向を向いて励ましてくれるような同士かもしれません。
 もちろん韓流ドラマではイケメンが視聴者の疑似恋愛対象であり一般的に恋愛要素はドラマの王道ではありますが、ことメイとナギサの間においては「恋愛解ではない」新しい関係性を追求する、というチャレンジングな展開がありなのかもしれません。
(https://news.goo.ne.jp/article/postseven/entertainment/postseven-1594809.htmlより引用)

関連記事