相次ぐ養護老人ホーム閉所 財政難、費用負担重く…入所措置控えか? 2021-01-12


図 この記事のタイプ傾向 (「困窮」「支援」)

(https://news.goo.ne.jp/article/nishinippon/region/nishinippon-1000680802.htmlより引用)
 生活困窮や虐待により、自力では暮らせない高齢者に居室や食事を提供する公的な入所施設「養護老人ホーム」の閉所が、全国で相次いでいることが分かった。
厚生労働省によると、施設数は2018年度に前年度から23カ所減り、その後も減少傾向が続いているとみられる。
市町村が入所する人を決め、費用を負担する社会保障の安全網だが、識者は「自治体の財政難のため本来は対象となる高齢者が入れず、経営が悪化している」とみている。
 厚労省の調査では、減少は15年度に始まっている。
19、20年度は未集計だが、西日本新聞の取材では少なくとも、19年度に北海道と熊本県の公立計2施設が閉まり、20年度末に静岡県の公立1施設と、福岡県と栃木県の法人計3施設が閉所する。
福岡県筑前町の「朝倉苑」は今年3月、県内の法人として初めて閉所する予定。
公立は民間移譲や老朽化で減り続け、私立の法人施設も18年度は減少に転じた。
 要因は利用者減によるものが多い。
市町村は条件を満たした高齢者について、老人福祉法の「措置」という規定に基づいて入所してもらうが、全国の19年の入所措置数は約5万7千人で、統計が残る1997年に比べて約7600人減った。
 背景には、国から地方に税源を移譲した小泉政権の三位一体改革で、施設利用料の負担割合が変わった点がある。
国が50%、都道府県と市町村が25%ずつ支出していたが、2005年度から市町村の全額負担となった。
市町村には地方交付税が上積みされたものの、使い道は自由なため入所措置が控えられたとされる。
高齢者住宅が増え、選択肢が多様になったことも一因という。
 全国老人福祉施設協議会(東京)が19年度、908施設から回答を得た調査では、定員約6万人に対し空床が約6千人分あった。
定員に対する入所者の割合が11%の施設もあった。
 淑徳大の結城康博教授(社会保障論)は「市町村が入所措置を控える傾向は現実にある。
身寄りのない人は今後増え、養護老人ホームのニーズは逆に増している。
適正に入所させることが必要だ」と話している。
 (編集委員・河野賢治)【ワードBOX】養護老人ホーム 明治期の養老院が前身で、困窮や身寄りがないなどの事情を抱えた原則65歳以上の人を受け入れる老人福祉法上の施設。
入院治療の必要がない人を対象に、施設側が本人の処遇計画を作り、自立した生活を送れるよう訓練や支援をする。
生活相談や健康診断もある。
市町村が入所判定委員会を開いて入居の要否や行き先を決める。
高齢者が個別に契約できる特別養護老人ホームとは異なる。
(https://news.goo.ne.jp/article/nishinippon/region/nishinippon-1000680802.htmlより引用)

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