都心のカラス、20年で3分の1以下に…生息数とゴミの量連動「人間のふるまいが翻弄」 2022-05-09


図 この記事のタイプ傾向 (「注意」「恐れ」「嫌う」「好む」「怖い」「好き」)

(https://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/nation/20220509-567-OYT1T50062.htmlより引用)
 厄介者のイメージが強い東京都心のカラスが減っている。
都などが対策を始めてから約20年で、3分の1以下になった。
生息数の推移から透けてみえるのは、ゴミを巡る世の中の変化だ。
(渋谷功太郎)激辛成分 「毎朝、飲食店などが出したゴミ袋が破られ、道を歩けないほど残飯が散らかっていた」。
東京・銀座の雑貨店経営、尾関一郎さん(64)が、1990年代後半の街の様子を振り返る。
各店が蓋付きゴミ箱を導入し、午前2時から回収する今は、カラスを見なくなった。
 都心のカラスは80年代から増え、2000年前後が最も多かった。
都には01年度、「ゴミを散らかす」「鳴き声がうるさい」「襲われて怖い」など計3754件の苦情が寄せられ、社会問題化した。
 都は01年9月、石原慎太郎知事(当時)の号令で「カラス対策プロジェクトチーム」を発足。
都内40か所の大きいねぐらを調べ、計約3万6400羽の生息を確認した。
 餌となるゴミの早朝収集を自治体に呼びかけるとともに、わなによる駆除を開始。
杉並区が中身の見えにくい黄色い袋を導入したり、企業がカラスが嫌う激辛成分を塗った袋を販売したりもした。
「食べ放題」 カラスは昔から多かったわけではない。
都が1973〜78年に行った調査では、都心で大規模繁殖は確認されておらず、「素行の悪さ」も問題になっていなかった。
 研究者らでつくる「都市鳥研究会」は明治神宮(渋谷区)、豊島岡墓地(文京区)、国立科学博物館付属自然教育園(港区)で、5年ごとに生息数を調べている。
85年の初調査は6737羽で、90年は約1・6倍(1万863羽)になった。
 この増加と連動するのが、ゴミの量だ。
「東京都清掃事業百年史」によると、23区の85年度の回収量は約397万トンだったが、90年度には約2割増(約480万トン)になった。
 同研究会の唐沢孝一さん(78)は「経済成長に伴い、都心の路上に大量の食べ残しが生ゴミとして出された。
カラスが食べ放題だったので繁殖した」と分析する。
人の都合で…… 複数の専門家によると、カラスが減った原因にもゴミが深く関係している。
 「東京二十三区清掃一部事務組合」によると、90年代から、飲食店を含む事業系ゴミの有料化の影響などで徐々にゴミの量が減った。
2001年度は約352万トンだったが、20年度は約255万トンになった。
 カラスもゴミの量と連動するように減少。
都が対策を始めた01年度と比べ、05年度はほぼ半減(約1万7900羽)し、20年度は約7割減(約1万1000羽)になった。
 防鳥ネットや蓋付きゴミ箱が普及し、「食べられるゴミ」も減った。
今後、対策が徹底されれば生息数はさらに減るとみられる。
カラスは小動物の死骸を食べたり、食べた植物の種をフンとして遠くに運んだりする。
極端に減れば、路上が不衛生になり、生態系に影響を及ぼす恐れもある。
 20年以上カラスを研究する東京大総合研究博物館の松原始・特任准教授(52)は指摘する。
「カラスはたくさんのゴミを野放図に出せば増え、マナーを守れば減る。
人間のふるまいに翻弄(ほんろう)されているとも言えます」 日本に繁殖するカラスの大半はハシブトガラスとハシボソガラスで、都心に暮らすのは主にハシブトだ。
果実や昆虫、小動物を食べるが、マヨネーズやフライドポテトなど油脂を多く含む食材も好む。
 毎日水浴びをし、くちばしを枝にこすりつけて磨くきれい好き。
明け方から日中にかけて餌を取り、夜は公園や神社のねぐらに集まる個体が多い。
オオタカなどの猛禽(もうきん)類が天敵で、群れで追い払うこともある。
 巣は枝や針金ハンガーを曲げて作る。
産卵のピークは3〜4月頃で1度に4、5個程度の卵を産む。
今の時期は子育てをしているので、巣に近づくと攻撃的になるので注意が必要だ。
(https://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/nation/20220509-567-OYT1T50062.htmlより引用)

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