朝の情報番組の「終了&卒業」その裏では何が起きているのか 2021-04-02


図 この記事のタイプ傾向 (「呆れる」「暑苦しい」「悲しい」「苦笑」「悔しさ」「苦しい」「寂しい」「幸せ」「心配」「好き」「にやり」「協力」「愛され」)

(https://news.goo.ne.jp/article/postseven/entertainment/postseven-1648430.htmlより引用)
 4月の改編では、朝の情報番組が大幅にリニューアルされた。
その背景に何があったのか──。
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、分析する。
 * * *卒業する出演者に対する番組スタッフの“愛”のなせるワザ 22年間も「朝の顔」であり続けた小倉智昭サン(73才)のラストも見なきゃ。
前日に涙を流し切った感のあるハリセンボン近藤春菜サン(38才)と水卜麻美アナウンサー(33才)は、どんなふうに卒業していくのか。
立川志らくサン(57才)が念願だったという山田洋次監督との対談はどのような展開になるのか。
まぁ3月26日の朝は忙しかったです。
 ご存じのように『とくダネ!』(フジテレビ系)は実に5646回の歴史に幕を。
最終回は卒業パーティーのような構成になっていました。
 実は前日から局内では、これまでかかわったスタッフさんやリポーターさんの多くが「明日、何時頃、スタジオに行く?」とそこかしこで打ち合わせをしていらっしゃいました。
 最終回には小倉サンの奥様からのお手紙を山崎夕貴アナ(33才)が代読。
その内容は、朝の帯番組を22年間も続けるには、共に生活サイクルの変更を余儀なくされた、奥様の存在を忘れるわけにはいかないことを教えてくださいました。
小倉サンは途中、大病や手術、休養も経験され、コロナ禍ではご自宅からのリモート出演もありました。
そこでも奥様はサポートされてきたのです。
そして「朝のヒットスタジオ」よろしく、長いおつきあいの寺尾聰サン(73才)、大黒摩季サン(51才)、そしてコブクロのおふたりが出演されました。
コブクロが路上ライブをしていた頃から番組と小倉サンは応援なさっていたのです。
 オーラス、小倉サンはスタッフを労い、『めざまし8』MCの谷原章介サン(48才)にもエールを。
その右横で、これまで番組に出演したコメンテーターやプレゼンター、ナレーターら全員の名前がロールで流れたりと、小倉サンとスタッフが愛し愛されていたことがわかりました。
 愛されているといえば、『スッキリ』(日本テレビ系)は、(え? こんなに早くから?)というタイミングで縁の著名人が春菜サンと水卜ちゃんへメッセージを寄せ続けました。
 そして25日にはふたりのために別のスタジオで特別ライブが。
東京スカパラダイスオーケストラ、田島貴男サン(54才)、森山直太朗サン(44才)、宮本浩次サン(54才)……と豪華すぎるアーティストが勢ぞろい。
春菜サンは「春菜会」をはじめ、他ジャンルの大物芸能人に愛されているし、水卜ちゃんは「好きな女性アナウンサーランキング」殿堂入りの人気者。
とはいえ、ここまでの大物たちが協力してくれるのには、ふたりの“お人柄”だけではなく、番組スタッフからふたりへの“愛”のなせるワザだと思いました。
 私は放送作家という番組の作り手側として、レギュラー番組やその出演者への“愛”を暑苦しいほど、持っているタイプです。
いや、私だけではありません。
ある程度、キャリアを重ねた放送作家は、ちゃんと番組を終わらせられて、出演者をちゃんと見送る場面で、あぁ、こういう番組にかかわれて自分は幸せ者だと思うものです。
どんな理由で終わる番組だったとしても、どんな事情で卒業するかただったとしても、気持ちよく終わっていただきたい。
終わりよければすべてよし……なのでね。
 もちろん、“予算”というものがありますから、終わる番組、卒業する人に、そこまでお金をかけられない……というプロデューサーもいます。
でも、概して女性プロデューサーの存在感がある番組は、華やかな席を設けてくれるという印象があります。
「乾きものと紙コップに注いだビールを手に会議室で行う打ち上げほど悲しいものはない」とは、某制作会社のベテラン女性プロデューサー。
まったくおっしゃるとおりで、そういう打ち上げで乾杯の発声をする出演者には本当に申し訳なくなってしまいます。
 実は、見るに見かねた出演者が最後を盛り上げてくださる場合もあるのです。
以前、ものすごい年数続いたし、数字もよかった番組が終わることになったとき、打ち上げがないことを知った女性のMCが局の近くの飲食店を貸し切ってくれて、古いスタッフや出演者にまで声をかけ、労ってくれたことがありました。
 こういう“想い”、女性の方が強くてすぐれているのかもしれませんね。
「また、このスタッフや演者さんと番組がやりたい」というのは男性プロデューサーが必ずする“ご挨拶”ですが、「そんなことが、あった試しがない」と呆れる演者さん、多数。
近年は、一度終了しても“特番”というカタチで年に数回オンエアされる番組が少なくないのですが、やはり、バラエティーや情報番組の類は、長く続けてナンボなので、当初のカタチと別物になったとしても、関係者は続くことを願っているのです。
愚痴や開き直りが最後まで止まらなかった志らくサン とにかく、今春、これまでにないほど多数の番組が終了し、多くの人気コメンテーターが卒業しました。
顕著だったのはテレビ朝日系の『グッド!モーニング』と『羽鳥慎一モーニングショー』。
数字がいいうちにチャレンジしたいという作り手側の気持ちはわかりますが、同時にここまで大人数を卒業させる背景には、予算削減も理由としてあるでしょうし、世帯視聴率ではなく個人視聴率や、局によって微妙に異なる“コアターゲット”の存在も重要ポイントかと思います。
 そして、番組は生き物なのだと改めて痛感したのは、『とくダネ!』のラスト2週ほどで振り返った同番組の名物企画と、それを背負っていた演者さんの再登場に、でした。
 バラエティーとは異なり、生ワイドの“なつかし企画”というのは、ビックリするほど古くさく見えました。
なんなら、演者さんの“声”とか“しゃべり方”にさえ古さを感じてしまったのは私だけでしょうか。
 そんな中、1年半という短命で終わった『グッとラック!』(TBS系)の最終回には興味津々でした。
昨年10月、ロンドンブーツ1号2号の田村淳サン(47才)を投入するなどした、テコ入れもうまくいきませんでしたし、終了することがわかってからMCの立川志らくサンの愚痴や開き直りが止まらなかった。
他人事ながら、どうしたものかと思っていました。
 それが伝染ってしまったのかと思われたのは、最終回、スタジオにいらしたコメンテーターからのメッセージでした。
上地雄輔サン(41才)は「ぼくでいいのか」とずっと思っていたとしながらも、4月から『ひるおび!』(同)のコメンテーターになることをPR。
そして淳サンは、「やっぱり情報番組のMCがやりたい」と……(苦笑)。
『知りたがり!』(フジテレビ系)も短命に終わってしまったからエネルギーがあり余っているのかもしれません。
 そして、もっともコメントが心配された(!)志らくサンは、「『ラヴィット!』は見ません」と宣言。
1年半のうち、1年がコロナの話題ばかりになったことに「正常時にやりたかった」と悔しさをにじませました。
 そう、地方局含め、生ワイドが続々終了したり、大幅リニューアルした最大の原因はコロナなんです。
 世の中が“正常時”に戻ることを願わずにはいられない、テレビ関係者としては寂しい春なのです。
構成/山田美保子『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)などを手がける放送作家。
コメンテーターとして『ドデスカ!』(メ〜テレ)、『アップ!』(同)、『バイキングMORE』(フジテレビ系)、『サンデージャポン』(TBS系)に出演中。
CM各賞の審査員も務める。
(https://news.goo.ne.jp/article/postseven/entertainment/postseven-1648430.htmlより引用)

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